2006.03.23

禅寺に行こう

P1010445以前妹の結婚式のことをこのブログに書いた。僕としてはあくまでもごはんネタの延長線上で書いたつもりだったのだが、沢山のことからお祝いの言葉を頂きいたく恐縮した。妹の良人が禅寺で修行をしていたこともあって、結婚式も縁のお寺でしていただいたのだった。そこで禅宗に大いに開眼した僕だったが、今回は妹の良人がかつて修行をしていた禅寺に出かけることとなった。春のお彼岸の行事、「彼岸講中斎」に呼んでもらったのだ。去年も声をかけていただきながら行けなかったので、二度目の正直である。

P1010456彼岸講中斎では、集まった檀家さんその他に精進料理がふるまわれる。「一日不作 一日不食」と書かれた箸袋からお箸を取り出し頂いた料理は、ごはん、お味噌汁、飛竜頭、胡麻和え、胡麻豆腐、香の物。いわゆる一汁三菜である。これを頂いて目から鱗が落ちる想いがした。それこそ妹の披露宴の料理について、おせち料理のように一品一品にシンボリックな意味が込められているのが楽しいと書いたが、禅寺の料理はまさにその対極にある料理。結婚式の料理のような贅沢がないのはあたりまえのことである。そうではなく、ここにあるのは決定的な「意味」の欠如なのだ。それと対照的に、材料を大切に使おうという配慮や、栄養のバランスに対する心配りは徹底されている。その結果、過剰なまでに「意味」を盛り込むことこそが料理でありもてなしであると考えているわれわれは思わぬ肩透かしを食らうことになる。

料理だけでなく、寺全体を礼節が支配している様も見ていて心洗われる思いがする。僧侶と檀家は敬意と感謝とで結ばれているかのようだ。知った顔どうしが出会うと、まずは地べたに座り頭を下げるところからコミュニケイションがはじまる。深々と頭を下げる僧侶たちの仕草もけっして形式的な印象を与えない。しかしこの日残念だったのは、般若心経が聞けなかったこと。禅宗のものは格別なのに。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日曜日

P1010429やらねばならないことが立てこんでいてほんとうはそれどころではないのだが、日曜日は大阪にお出かけ。別に気合いが入っているというわけでもないのだが、なぜか早起きしてしまったので久しぶりに朝ごはんを食べる。ほぼ毎朝ごはんを炊くだけはたくのだが、これは家人の弁当になったりおにぎりになったり、僕が出かけるのが遅い日でも明太子に味噌汁、といった食べ方なので、家でちゃんと朝ごはんというのはほんとうに久しぶり。一時期がんばって毎朝朝ごはんを食べていたころのことを思いだした。やはり朝ごはんは大事ですね。ちなみに写真の鮭、左右が反対。こんな焼き方をしてはいけませんよ。

大阪に出かけた目的は、松竹座に尾上松緑の『夏ノ夜ノ夢』を見に行くこと。自分の仕事との関係もあって最近演劇、歌舞伎、落語などに興味がある。今回は家人がチケットを頂いたということで(またか)、忙しくはあったがありがたく出かけた。なかなか面白かったので、家に帰り早速原作を探し出してぱらぱら。仕事との関係もあってなどとえらそうに書いたが、僕は恥ずかしながら原作も読んだことがなかったのである。

観劇後、千日前の寿司屋、一半さんへ。家人が先日家人の父君らと出かけた店である。そのとき家人が、あまりに美味しかったからとガリをおみやげに持って帰ってきてくれた。ふつう土産はネギトロだろうと思わないではなかったが、たしかに旨いガリだった。僕はすぐにでも京都に戻って仕事の続きをという気分だったのだが、そのときのタッパーを返したいからといわれたらしょうがない。「すごいお店」と聞いていたが、中に入ってみると気さくな雰囲気で、内装が特別豪華ということもなくそれほど敷居の高さを感じるわけでもない。しかしそれもネタケースをのぞくまでは、の話である。ずらっと並ぶ豪勢なネタを見て、明らかに自分には分不相応な店だと悟った次第。それでもせっかくだからとカウンターに陣取る。何を頂こうかと話しながらあたりを見回すと、どのお客さんも造りを食べている。いつもの僕のように、酒を頼んだらすぐにぎり、なんて輩は誰一人としていないのである(寿司屋での僕のポリシーは、NFWNR=no fish with no rice、である)。やっぱりお造りだろうか、で、で、で、でも、こ、こ、こ、こんなお店で、お、お、お、お造りなんて、と思っているとカウンターから、お造り二人で一人前ぐらいしときましょうか、との声。は、は、は、はい、お、お、お、お、お願いします。そうして出てきた造りがこれまたすごい。中トロ、鯛、海老のおどり、針烏賊などなど。どれ一つとして隙のない造り。造りのわさびはおろしたてのものがあらかじめ醤油に入った状態で供される。へーと思ったがこれを崩しながら造りを頂くとじつに旨い。その後赤身、赤貝、穴子、小鰭、雲丹などをにぎりで頂いたが、どれも甲乙つけがたい美味しさ。強いていうなら穴子(焼きではなく蒸しだった)がとても印象に残った。もしサラリーマンをやっていたら、ボーナスの晩は間違いなくここである。

| | コメント (1) | トラックバック (0)