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2007.03.08

塩汁[しょっつる]のこと

P1060113塩汁(しょっつる、塩魚汁とも)は日本の伝統的魚醬、すなわち魚を塩漬けにして醗酵させて作った調味料の一つ。各地に伝わる魚醬のうち、秋田のものが塩汁と呼ばれている。魚醬といったら、今の僕たちにとってはタイのナンプラー(น้ำปลา)やヴェトナムのニョクマム(nước mắm)の方が馴染みがあるかもしれないが、ナンプラーやニョクマムに比べると色も薄く、香りも穏やか。もちろん似ているのだが、両方を嘗めて味を比べたらぜんぜん別物、といったら伝わるだろうか。ナンプラーと塩汁を嘗めてどちらが日本の魚醬かあててごらんといわれたら、ほとんどの人が塩汁を選ぶのではないかと思う。たんなるイメージの問題だが、塩汁は寒い国の、ナンプラーは暑い国の魚醬という気がする。

P1060027塩汁はかつてはハタハタをふんだんに使って作られていたが、一時禁漁になるほどハタハタの漁獲量が落ちこみ、現在では他の魚も使うのだそうだ。今回お世話になった仙波善治商店の「塩魚汁」には、原料として「魚」としか書かれていない。そんなわけで、なぜ塩汁かといえば、塩汁といえば秋田、秋田といえばハタハタ(県の魚にもなっている)、そう、先日のハタハタをどうしようかと考えていて、塩汁のことを思いだしたというわけだ。じつは写真の奥に写っている土鍋も、思いかえせば秋田出身のGからもらったもの。Gが京都にいた四年間、この鍋で塩汁鍋やらきりたんぽ鍋を何度もご馳走になった。京都を離れるGから譲り受けた土鍋なのだ。とはいえ、Gが食べさせてくれた塩汁鍋をあまりはっきり思いだすこともできず、具は写真のような感じで。塩汁のだしはちょっとしょっぱいのだが、鍋をしているうちにそこにどんどん旨味が加わっていく。身離れのいいハタハタの身をつつくのも楽しいが、ハタハタの旨味を吸った野菜や豆腐もまた旨い(鍋は何でもそうだけど)。最後はそのだしで雑炊。大満足。

この本はずいぶんと前からうちの本棚にあったのだが、いつもちらっと眺めてはすぐに本棚にしまわれていたもの。今回はこの本のおかげで塩汁のことを思いだしたし、ハタハタは「馬の息をかければ食べられる」(ぐらいだから煮すぎてはいけない)とのアドヴァイスももらった。おまけに、塩漬けにしたハタハタを、麹、千切りの大根、人参、布海苔、調味料などと合わせた米といっしょに押した、ハタハタ寿司なるなれ鮨まで知ることができた。一冊で日本全国津々浦々、各地の料理を食べた気分になれる、アームチェア・グルマンにはお薦めの一冊。

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