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2006.12.21

身土不二

マクロビオティックのもう一つの大きなコンセプトが、身土不二(しんどふじ)である。人間の体と土地は二つではない、つまりきっても切れないものであるということをいったもので、それゆえ、できるだけ自分が住んでいるところから近いところでとれた食べ物を食べなさいと説かれる。明治時代にはすでに、自分の家を中心とする四里四方でとれた旬のものを食べよとの食養道の教えがあったのだという。この「身土不二」が、マクロビオティックなどとは根本的に根っこの違う地産地消運動のスローガンになったりなどといった面白いエピソードもあるようだが、それについてはまたいつか考えることにして、今日はこの概念の今日性についてだけ考えてみたい。この「身土不二」という概念が、それを提唱する人たちの真の意図が何であるかは別として、僕たち現代人の大部分にとって、自給自足の時代、すべての人々が近所でとれたものを食べるのがあたりまえだった時代へのノスタルジーとしての価値をもつことは間違いないだろう。それともう一つ、身土不二というコンセプトは、このノスタルジーとは並行していながら少しずれ対置にある、現代の「土地神話」とも呼ぶべきものと共鳴しあっている。ここで土地神話といっているのは、レストランやスーパーでありとあらゆる食材に産地が記載され、ワインを語るときにはかならず「テロワール」という語が使われる現代の状況のことだ(なるほどテロワールは、ワインを語る上で欠かせない概念だけれど、ここまでテロワールの話を好むのは日本人特有のことだと思う)。僕が抱いているナイーヴな食文化観は、およそ食文化というものは、食における「自然」的側面を食べ物自体からいったん切り離すことによって進歩してきたというものだが、自給自足時代へのノスタルジーも、土地神話も、食が自然と切り離される以前の時代を志向するという意味では通底している。僕たちの食をめぐる環境は、それこそ農作物の生産、輸送、保存にかかわるテクノロジーの発達や、国外の農作物生産国との関係の変化によって大きく変化しつつある。その中であらためて浮上したのが自給自足願望であり、土地神話である。僕たちは何かを失ったと無意識のうちに考えているけれど、僕たちはその「何か」の幻影を身土不二の「土」の字に見ているのではないか。

P1050160いまいち話がまとまらないので、料理の話。お粥といえば茶粥、茶粥といえば碁石茶の粥である。玄米で炊いてもとてもおいしい。おかずは、刻み昆布に、北海道の岩海苔、そしていつもの日の菜と自家製胡瓜の糠漬け。高知のお茶でお粥を炊いて、北海道の岩海苔で……なんて身土不二的には0点だね(笑)。

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受信: 2006.12.21 10:45

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