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2006.07.20

シュークルートのこと

家人を何度目だかに実家に連れていったとき、僕の母親が押し入れからル・クルーゼの箱を持ちだし、これよかったら持って帰らない、家人ちゃんにぴったりだと思って、という。大昔から押し入れに眠っていたであろうル・クルーゼを、家人のためにとっておいたのよとうそぶく母親に閉口しつつ箱を開けてみれば、ココット・ダムール、そう、例のハート型の鍋である。家人は、いやー、嬉しいー、と大喜びだったが、母親の本意は家人であればル・クルーゼの重い鍋でもだいじょうぶ、ということだったのではないかと僕は今でも思う。まあ何はともあれ、そんなわけでココット・ダムールはうちにやってきた。ところが、である。フランスで鋳造されたのであろう、この立派な鍋は、電磁調理器もいけることが災いし串カツに使われるばかり。たまに違う料理だったりしてもタイカレーだったり。そんな愛のココットが一年に一度だけフランス魂を取りもどすのが、シュークルートに使われるときである。

P1020955P1020958今回もキャベツを漬けたのは家人。今回は、ベーコン、ソーセージの他、自家製の豚のバラ肉の塩漬けも入っている。前回は秋だったのに対して今回は暑い季節。発酵も結構早く進んだようで、いい感じの酸味。シュークルートの酸味は乳酸発酵による酸味なのだそうだが、いつも不思議に思うのは乳酸菌ってどっから来るんだろうということ。シュークルートの材料は、キャベツ、ジュニパー・ベリー、塩だけだから、キャベツに付着しているか、ジュニパー・ベリーにくっついているか、あるいは空気中に浮遊している乳酸菌が混入するかのいずれかだろう。よく考えてみれば、糠床の乳酸菌だってどっから来たのかよくわからない。きっと野菜についてるんだろうねとは思うが、ほんとうにそうなの???、みたいな(笑)。菌がどこから来るのか知ってるのなんて、味噌は麹に酵母、ワインは果皮に酵母、納豆は藁に納豆菌、ぐらいのもので、知ってる方が少ないのかも。いやあ、醸しってほんとうに不思議です。

P1020987久しぶりに飲んだワインのことも書いておくと、この日はシュークルートということでアルザスの、Marcel Deiss: Gruenspiel 2001。悪友のBが今年の家人の誕生日に奮発してくれたものである。酸も果実味もほどよいが、アルザスとは思いがたい重厚さと奥行きをもっている。飲んでから知ったのだが(恥ずかしい話!)、このグリュエンスピール、リースリングとピノ・ノワールとゲヴェルツトラミネールの混醸である。なるほど、まさに三品種のいいところを集めたという印象。だからといってそれが寄せ集めてくっつけたという印象を与えることはまったくなく、一つのワインにインテグレートされているところが素晴らしい。

P1020947もう一つだけ。シュークルートに入っているジャガイモ、ちょっと黄色いでしょ。調理する前はこんな感じ。写真ではわかりにくいけど微妙に赤い。中を割ってみるとサツマイモほどではないけどうっすら黄色。これはいつも遊びに来てくれるあずぶぅからもらったジャガイモで、なんでもジャガイモの原産地、アンデス山脈の原種に近いジャガイモなのだとか(それを日本で栽培している方が知り合いなんて!)。食べてみるとふつうのジャガイモよりちょっと甘い感じでなかなかおいしい。今回みたいに、酸っぱい料理にはもってこいかも。
 ついでに今さっき知ったことを書いておくと、ジャガイモがヨーロッパに伝わったのはほんの500年前だとか。ドイツで育った家人はジャガイモはドイツ人の魂なんていってますが、500年ものの魂、みたいな(笑)。でもこれはよくある話で、イタリア料理といえば誰でもトマト!、と思うけど、トマトが至りに伝わったのも、ジャガイモがヨーロッパに伝わったのと同じ16世紀。イタリア全土でトマトが食べられるようになったのは19世紀に入ってからのことだとか。日本も例外ではなく、米が日本人の主食となったのは戦後のことだという説もあるのだとか。米がずっと主食としての歴史をもっていることよりも、米=主食神話があとから捏造されていることのほうがよっぽど「文化的」な現象かも。

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コメント

ご無沙汰しております。シュークルート美味しそうです。家でも試してみようと思います。ところでこのジャガイモの名前は何でしょう? こちらでは似たようなジャガイモがred potatoという名前で売られています。味もさることながら、男爵やメークインと比べて煮くずれしにくい事もあるので、我が家の定番になっています。このジャガイモが日本で手にはいるなんて、羨ましいっす。

投稿: ボル夫 | 2006.07.21 03:30

こちらこそごぶさた。こちらは早くも日が変わり、一足先にMason's Dayです。
シュークルートはたしかにそっちでもできるな。ぜひ試してまたレポートしてください。で、あのジャガイモですが、たしかに煮くずれしなさそうだ。PCで味見したときは、オリーヴ・オイルと塩だけだったのだけど、甘みがあるのでそれでもおいしかったです。
名前は……あずぶぅお願い!

投稿: manavic | 2006.07.21 04:37

その後、吉田(仮)さんからお借りしている小泉武夫の『発酵は力なり』を読んだのですが、やはり乳酸菌は、酵母と同じで空気中にもいるし、野菜にもついているのだそうです。なるほどね。

投稿: manavic | 2006.07.24 19:37

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