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2006.06.12

天使突抜第一次米飯強化計画(8)

P1020540先日うちに遊びに来てくれた犬さんが、このブログのコメント欄でそのときのうちのごはんと味噌汁のことをほめてくださった。これは僕にとってはこの上なく光栄なことだった。僕自身、料理に凝るようになって何が一番嬉しいかといえば、おいしいごはんが炊けるようになったこと、いつでもおいしい味噌汁が作れるようになったことが一番なのだ。料理を始めたころはもちろん違って、テリーヌだ何だと手のかけたものを作ると、人が「おお!」といってくれることが一番嬉しかった(今でもそういう虚栄心はあるけど:笑)。しかしそんなことをしているうちにいろいろものを考えるようになるのが30代の悲しいところで、どんな料理をがんばるのが一番いいのだろうとしょっちゅう考えた。現時点での僕の答えは二つ。一つはレストランでは食べられないものを作ろう、ということ。テリーヌはレストランで食べればよい。そもそも作れる最小の分量がテリーヌ型一台分なんてまったく家庭向けじゃない。その反面、ジゴ・ダニョー一本丸ごとだとか、豚の骨付きロースをブロックでだとか、鶏一羽丸ごとというのはなかなかレストランではお目にかからない。こういうものこそ家で作ろうと考えたわけだ。そしてもう一つは、毎日食べるものをおいしく作ろう、ということ。毎日食べるもの、というのは、ごはんであり味噌汁である。ごはん、味噌汁に限らず、目玉焼きや豚カツがおいしくできたときは、テリーヌが上手に焼き上がったとき以上に嬉しい。家で食べるもの、という意味ではこれも一つ目とほんとうは同じことかもしれないが、おいしいごはんを炊いておいしい味噌汁を作ること、これがそんなもん家でするかーといわれ続けてきた僕の今の最大目標である(笑)。

何だか話が説教くさくて恐縮ですが、あくまで僕の改心の話ということでもう少しおつきあいを。
僕は「道具から入る派」だとなぜか誤解されているが、じつはまったく正反対である。たしかに若いころに衝動買いした「要らん道具」(例:ムーラン)が今でも台所にごろごろしてはいるが、少なくとも最近の僕は道具にかんしては行きすぎなぐらい猜疑心の方が先に顔を出す。結局精米機は買ったが、最終的に決断するまでに、精米したての米というのはほんとうに食べてわかるぐらい美味いのかなどなど、いろいろ悩んだ。結果、うまい米を食べたいんならまずはあるもんでがんばってみようということで、何ヶ月か米の研ぎ方、水の量などをいろいろ試してみたり、ありもんの土鍋で米を炊いたりしてみた。話がそれるが、パスタ・マシーンを買ったときもそうだった。家で素人が打つパスタなんてほんとにうまいのかととても心配で、まずは保留。手捏ね、綿棒で伸ばして包丁切り、というやり方でしばらくがんばってみた。料理というのはどこか泥臭いところがあって、どう考えても面倒なことを面倒くさがらずにやらないと上手にできないものだと思う。圧力鍋や電子レンジを上手に使って調理時間を短縮、といったことがよくないとかそういうことではない。道具を買えば「旨い」思いができるというのは大間違いだと思うのだ。だってそれはあくまで「道具」なんだから。

P1020537ああ、ほんとうに説教くさい前置きですが、今日書きたかったのは、最近土鍋でごはんをがんばってます、という話。精米機を買ったとき、I師匠に次はぜったい羽釜がほしくなるぞと「予言」された(笑)。もちろん羽釜はほしいのだが、立派な羽釜を買ったところで、ふつうの土鍋でもまともな飯が炊けないんじゃあ先は見えている。そんなわけで休日の朝ごはん(というか昼ごはん、やね)は、このところずっと土鍋。20cmぐらいの土鍋で米240cc。吹きこぼれる寸前まで中火、その後弱火で20〜25分、を標準にしていろいろ試しているのだが、全体の水加減と「弱火」の火加減と時間とのバランスが難しく、まだうちの旧式の炊飯器に勝てないでいる。もう少し、この土鍋で「修行」である。

P1020558せっかく味噌汁もほめていただいたので、味噌汁の話も少しだけ。うちの味噌汁はデフォルトは赤だし。ただ、おいしいみそというのはいっぱいあるから、その日の気分でいろいろではある。余談になるが、僕は岐阜で育ったものの、うちの両親は岐阜の人ではなかったら家で赤だしを飲むということは一度もなかった。うちの母親などは赤味噌は下品な味噌だと断じていた。赤味噌を下品だといい、田舎味噌風の麹味噌を使っていた母親は、今考えてみればいったい何だったのだろうと思わないでもないが、下品とはいわないまでもたしかに独特の風味が強い赤だしは、上品な味噌ではないのだろうと僕も勝手に思いこんでいた。そんなわけだから、自分でお金を稼げるようになりはじめて割烹なる店に行って、ごはんといっしょに赤だしが出てきたときは正直少し驚いた。閑話休題。何であれ、僕は赤だしが大好きである。料理といっしょに日本酒をいただいたあとのごはんといっしょにほろ酔いですする赤だしも好きだし、二日酔いの朝にも赤だしはぴったりである。どの赤味噌を使うかということにかんしてはあまりこだわりはないのだが、数日前から使っているのはご近所さんからいただいた写真のカクキューの八丁味噌。ほかの赤味噌でもそうだが、これに米味噌を少しだけ足して使っている。別の味噌を足すと味に奥行きが出るし、とくに豆しか使わない八丁味噌の場合甘味が若干足りないので、甘味のある味噌を足すといい。今使っている米味噌は、いつも玄米をお願いしているお米屋さんがおまけにくれたものだが、ふだん赤味噌の合わせて使うのは鹿児島の麦味噌。独特の甘味が心地よい味噌で、単体でだしに薄めに溶いて麩などを浮かべてもおいしい味噌汁ができる。

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コメント

K家のお味噌汁をいただいてから、まねして、うちでも麦味噌(長崎のですが。)に八丁味噌をすこしまぜたお味噌汁にしています。京都の人も、夏は八丁味噌を混ぜるときいたことがあるような木がするし、とくに今の季節、ちょっと八丁味噌がはいると、そして、おっしゃるとおり、だしの味が隠れないように、薄めにつくると、口から体に(腸を通らずに)ひろがっていくような感じがします。(後半、ちょっと辰巳先生ふう。)

投稿: 犬 | 2006.06.15 00:05

また面白いコメントをいただいてしまったので、ちょっと書いてみました。ご笑覧ください!

投稿: manavic | 2006.06.15 23:57

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