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2006.03.17

そして日本へ

P1010207P1010205最終日の話の前にまずトリヴィアから。日本にいると硬貨のデザインは一種類につき一通りというのがあたりまえ。もちろん今でも稲穂が描かれた五円玉や「ギザ十」にお目にかかることもあるし、五百円玉も偽造対策が施される前は今とは違うデザインだった。しかしイギリスでは硬貨のデザインはもっとしょっちゅう変わるらしい。左の写真は1ポンド硬貨だが、女王陛下も少なくとも3ヴァージョン(どれも同一人物です:笑)、裏側のデザインも少なくとも4ヴァージョン……と思っていたらもっとあった。側面に刻まれている文言もそれぞれ違う。右の写真は2ポンド硬貨だが、どれも同じ面を上にして積み重ねた図。よく見てもらうとわかるのだが、一枚だけ側面の文面が逆さまになっているものがある。これに初めて気がついたときは何となく気持ち悪かった。ちなみに側面に刻まれているのは、「Standing on the Shoulders of Giants」。いい言葉だ。

P1010261もう一つトリヴィア、というかお役立ち情報。海外の旅行先で日本から持っていった電化製品を使おうと思ったら、変圧器やプラグの変換アダプターは必須、と思いこんではいないだろうか。僕はそう思いこんでいた。今回も出発の前日に仕事に出た家人に変圧器を買ってきてもらった(そもそも人にあげたつもりになっている変圧器が自分のところに帰ってきていることを忘れていたのが問題なのだが)。今回持参したコンセントからの電源が必要な電化製品は、ノートPC、デジカメ、携帯電話。ところが、である。これらの定格入力電圧はいずれも100-240V。つまり、プラグの変換さえできれば変圧器は必要ないわけである。これに気がつく前はPCをつなぎっぱなしにしていると変圧器の温度ヒューズが作動し(PCの消費電力が変圧器の定格容量を超えているのだ)、その度に窓際で変圧器を冷やしたものだったが、そもそもそんな必要はなかったのだ。おまけにNTTドコモからレンタルした海外用携帯(僕は海外用の携帯を一つもっているのだが、あまりに安いので今回初めて借りてみた)にはご丁寧にプラグの変換キットまでついていた。変換キットの値段だけでも十日間ぐらい海外用の端末が借りれるのだから皮肉なものである。海外にお出かけの方はご参考に。どうしても変圧器が必要な方はご連絡を。在庫2、です(笑)

P1010263閑話休題。最終日の話。二日酔いではあるがまずは荷物のパッキングである。今回はあまり部屋を散らかさないようにしていたからほとんど問題はなかったのだが、困ったのがワインの瓶。ホテルだからあたりまえだが、基本的にはゴミ箱に入れて置いたものしかごみと認識されないから、なぜか全部残っている。しめて10本。写真の手前に写っているのは「ワイングラス」として使っていたJALの機内用のカップだが、僕が後生大事にずっと使っているのを見かねたのか、滞在の最後のころには掃除のおばちゃんが洗って拭いてテーブルの上にきちんと置いておいてくれるようになった。この「グラス」で7lもワインを飲んだかと思うと感慨深い(笑)。

P1010292P1010286その後チェックアウトをすませ、荷物だけはホテルに預けタワー・ブリッジに。写真ではわかりにくいかもしれないが、タワー・ブリッジはとても大きい橋。渡ってみるとこんなものをよくもまあ河の上に建てようと思ったなものだとつくづく思う。タワー・ブリッジ、それに隣接するロンドン塔は子供の時に行って以来だったのだが、今回その通り向かいに右の写真の建物を見つけた。第一次世界大戦中に海で命を落とした海の男たちへのモニュメントである。銘文がいい。「To the glory of God and to the honour of twelve thousand of the merchant navy and fishing fleets who have no grave but the sea.」

P1010295その後ホテルに荷物を取りに戻り、空港へ。この土日は工事のためラッセル・スクウェアとヒースローを一本で結ぶ地下鉄ピカデリー・ラインは運休。代替輸送ということで、ふだんは£15のヒースロー・エクスプレスに地下鉄の運賃で乗せてくれるらしい。そんなわけでパディントンからヒースロー・エクスプレスに乗る。前日に友人から高いけどなかなかいいですよ、と聞いていたのだがなかなか乗り心地もよい。ふだんは一時間の道のりも15分。空港で少しだけ買い物をし飛行機に。機内に乗り込んでから離陸を待つ間に日がすっかり暮れてしまった。ふたたびレッドアイを飲みながら晩ごはんを待つ。ところがワゴンが来てみると洋食はもうないのだという。がっくり。気を取りなおして和食をいただく。メニューは、牛角煮 御飯添え、ひじきの旨煮、切り干し大根、稲庭うどん、バナナ・キャラメル・ムース。一緒にワインをもらったのだが、洋食を食べれずよっぽど不機嫌な顔でもしていたのか、食後におかわりを勧めてもらった。実のところはといえば、和食しかなかったからと行ってめげるわけでもなく、レクター君よろしくロンドンから持ちこんだパテやらサラミやらソーセージやらを食べながら楽しんでいたので、ワインのオファーは嬉しかった(笑) その後寝つけなかったこともあり、何やかんやいってあの小さいボトルを3本。1/4ボトルでも3本飲めば3/4である(笑)

P1010300眠れないと夜明けが待ち遠しい。帰りの便では12時間の飛行で時差がGMT +9の日本に戻るわけだから、機上の人間の正味の1時間あたり1時間45分の時間が過ぎていることになる。したがって夜が明けるのも早くすくわれる。シベリアも北の方を飛んでいると下は一面真っ白だが、日本に近づくと写真のように河だけが凍っている光景にお目にかかることができる。ここまで来ればあとは朝ごはんである(笑)。

P1010305朝ごはんは、フレッシュ・フルーツ、トマト風味のエッグロール カッセラーハム添え、フルーツ・ヨーグルト、モーニング・ロール。面白かったのは「エッグロール」で、とてもバターがきいているのになぜかくるっと巻いてある。ふつうにオムレツのようにして出せばと思うのだけれど。そうこういっている間にもう関空。

長いようで短かった今回の旅もこれで終了。帰国直後から予定その他がいっぱいで、日々の生活に押し流されるようにしてはや10日以上が経った。この記事を書き始めてからでさえすでに4日。思えば今回の旅は古いものに出会う旅だった。19世紀に建てられた街の真ん中のホテル。コンピュータの端末からリクエストすると自動的に到着する240年前の本。古いものが現代的な都会の中で現代的なものと同居しているという状況には、京都でもすっかりおなじみにはずなのだが、あらためてイギリスにおけるその不思議さを肌で感じた。日本では歴史は商品だ。それが京都の商品価値の大半を占めている。イギリスでは歴史はもっと威厳をもって、ただしひっそりと存在している。それはちょうど現実的な権力を持たない王室の存在と似ている。そしてその歴史を保存するために費やされる莫大な費用を想像するとき、この国はかつて七つの海を制覇した大英帝国であったと思い知るのだ。

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受信: 2006.04.16 04:13

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