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2006.03.02

拾壱日目

今回のロンドン滞在は現地に15泊16日(帰りの機中泊も数えて旅行会社風にいうと15泊17日ね)。11日目ってことは今日が終わると2/3が終わっちゃうってことです。やっぱり二週間なんてあっという間。やっと「用務先」との往復にも、用務先でのもろもろの手続きにも慣れたのに、あるいは最初は一人でレストランで晩飯食べてもなあと思っていたのが、気がついてみたら夜になるとそわそわするようになったというのに、もう終わりですかい!、みたいな(笑) ま、でも今回は「用務」の内容にも満足していて、また仕事をしに来たいなあと思う毎日。それに加えて、ぜんぜん知らない国ではないとはいえふだんとぜんぜん違う環境に一人で来て、たとえ二週間とはいえどっかり居座っているおかげでものもいろいろ考えられたり。日本が恋しくないわけではもちろんないのだけど(とはいえ、どこでもドアがあったとしても、ラーメン食べていつものバーに寄って朝にはロンドン帰るだろうな:笑)、なかなかそれなりに自分なりの時間を過ごしているわけであります。しかし今から憂鬱なのが帰りの飛行機。僕は元から落ち着きのない性分で、同じところに同じ姿勢でずっと座っているということがとんとできない。映画を観ている二時間だけでも、尻が痛くなる。そんなのしょうがないじゃない? いやそれがね(笑)、帰りは貯まってるマイルとキャンペーンを利用してビジネスにアップグレードするはずだったんですよ。それが15,000マイルでビジネスにアップグレードできるのは正規運賃(ぐらい高い運賃)だけなんだって。ロンドンについて数日目にそれを知り、未だに愕然としたままの状態。往きの12時間40分も、ふっ、帰りはビジネスだぜ、と思い我慢した僕としてはどこにも気持ちのもって行き場がない。トイレ我慢してやっとサービスエリアに着いたと思ったらトイレは閉鎖中、次のサービスエリアまでお預け、みたいな感じです。

P1010172さて、11日目の話。昨日はわりと遅くまで起きていたのに、今朝はなぜか早起き。日曜日に寝過ぎて崩れたリズムを修正しようと朝から仕事。朝晩の仕事は日本でやり残した仕事をこっちに持ってきているものなのですが、今日はやけにはかどる。昼になったら外でごはんを食べてそのまま「用務先」に行くつもりだったのだけど、せっかくなのでもうちょっとしようということで、近所でサンドウィッチを買ってホテルで食べ、もうちょっとだけ仕事。サンドウィッチはハムとチーズとレタスと「tangy crunchy sweet pickle」。この最後のがくせ者で、訳せば「ピリッとサクサク甘口ピクルス」ぐらいなんだけど、結局何だかわからなかった。イギリスのサンドウィッチは食べたそのときはわりとお腹いっぱいになるんだけど、あまりもたないのでそこがいい。そのとき腹一杯になっても晩ごはんはちゃんと食べれる、っていうことです。これで£1.59。でもせっかくなので、コールスロー(何だか塩味が薄い、£0.77)とロースト・ターキー(6枚入りで£1.64)も一緒に。ターキーは鶏ハムみたいなもんで、七面鳥の胸肉を整形して焼いたもの(整形しなきゃこんな丸いわけがない)。1mmぐらいのスライスなのでちょっとパサついてる感がある。

P1010195そんなわけで、午後はひとしきりホテルで仕事をしてから用務先へ。今日はこの「用務先」のことをちょっと書いてみようかと。わりと最初のころに写真を載せたのでお気づきの方もいらっしゃると思うのですが、僕の今回の用務先は「大英図書館」。本来の名前は「British Library」だからべつに「大英」と訳さなくてもいいような気もするんだけどね。日本でいえば国会図書館のようなものなんだけど、さすがにすごい。写真は入り口正面の、大型本ばかりを大きな書架にディスプレイしてあるもの。写真ではわかりにくいが、3フロアぶち抜きぐらいの高さ。ほとんどバベルの図書館。今回僕は18世紀後半(つまり日本でいえば江戸時代、文人でいえば本居宣長のころ)に出版されたとある小説の出版事情を調べに来てるんだけど、端末から本をリクエストすると、70分後には240年前に出版されたその小説の初版本がカウンターに届く。二世紀半近くも前の本が、その何十もの異なる版がまとまって収蔵されていて、それを手にとって読むことができるというのも驚きだし、それらへのアクセスがここまでシステマティックに行われているというのにもびっくり。ついでにいえば、そんな資料を僕のような外国人でも、こうこうこういう理由で見たいんですよと説明すれば見せてもらえるというところもびっくり。おまけに初版本は、著者自身の書斎から納本されたもので、本人のものと思われる覚え書きまで書き込まれていたり(!)。僕はこの一週間、そんな古書に囲まれて仕事をしています。

さて、それでは晩ごはん行ってみますか。

P1010178というわけで、晩ごはん行ってきました。今日は何となくフレンチ気分(というかイタリアンとインディアンばっかりだったので)。近くに一軒あるんだけど、大きなマーキーには「Restaurant Francaise」と書いてあるのに、前まで行ってメニューを見てみるとなぜかパスタまである。ロンドンでもやはり中途半端は禁物なので(ちなみに、ロンドンではイタリア料理店以外でパスタは食うな、というのはけっこう有名な話)、他を探す。そういえば一昨日WAGAMAMAに行く途中に一軒定食を出すフレンチがあったなと思いだして、そこへ。二品のコースで£14.90。安くはないがロンドンであれば美味しかったら文句はない値段だ。

P1010177今夜選んだのは、シェーヴルと焼き梨(Goat Cheese with Griddled Pears and Rocket)と、豚のフィレ肉、 ジャガイモ添え(Fillet Mignon of Pork with Boulangere Potatoes and Jerusalem Artichokes)。日本語の料理名と英語の料理名が違う? そうなのよ、これが。前菜にはどこ探してもルッコラなどないし、豚フィレにはジャガイモ以外には、にんじんとブロッコリーが添えられていた。ただ、Jerusalem artichokeというのは僕もちょっと勘違いしていたようで、いわゆるアーティチョークではないようだ。辞書を引くと「キクイモ」と書いてある。もしかしてブロッコリーのことなのかな? 何はともあれ前菜がよかった。皿の中央に焼き梨がおかれその上に半分とろけたシェーヴル。皿の余白にはちょっとだけ甘味のあるクリームっぽいソースが流されている。チョコレートっぽいソースもかかってデザートのような温かい前菜。シェーヴルの皮をつけたままというのは正直どうかと思ったが(笑)、ロンドンに来て11日目にしてようやくであった面白い料理。豚フィレは、うーん、フィレ・ミニョンと大げさに書くわりにはどうかなという感じ。固くてパサッとしているわりには血のにおいが残っていたりして不思議な感じ。肉質が違うということか。でもアメリカ産の豚フィレでももうちょっと柔らかいのにね。掃除の仕方が違うのか、フィレの芯の部分の周りにも肉が付いていたのが新鮮だった。この皿で美味しかったのはジャガイモ。薄切りを積み重ねて焼いてあるのだが、バターと塩気が適度に利いていて、シンプルな肉のソースにもあってじつによい。ワインはMaison Bouachon: Côtes-du-Rhône Les Rabassieres 2000。ローヌらしい荒っぽさを残しつつ落ち着きはじめ、というところか。やや平坦な気もするが悪くはない。今日もまたお腹いっぱい。

P1010174今日のビールはFoster's。外食をするようになってからは極力安いビール、安いワインを買うように心がけている(笑) このフォスターズ、オーストラリアのビールなのにイギリスでわりとよく見るよなと思っていたら、先日のMcEwan'sのScottish & Newcastle社がライセンス生産をしているらしい。部屋用ワインも買ってはあったが今日はお休み。また明日のお楽しみということで。

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コメント

「用務先」滞在326日目のボル夫です。Brithsh Libraryの写真見ていつぞやかの「本で圧死できれば本望」の手記を思い出しました。アメリカビールと言えばBudが有名ですが、周りにBud派(およびその系統を好んで飲む人)は少ないです。地ビール愛好家の方が多く、結構良い味です(ついでにアルコール度数も高い)。こちらの食(特に外食)は首をかしげたくなる事が多いのですが、ビールについては良い方向で予想を裏切ってくれてます。

投稿: ボル夫 | 2006.03.02 06:11

圧死というか、畳1/3畳分ぐらいある大型本が3階上から落ちてきたら……って感じだな(笑) 「バベル」の話を引き合いに出したのは、圧死願望、というかその根本にある書物への偏愛みたいなものを否応なしに感じてしまう場所だったからです。あの本あるかな?、じゃなくて、ない本探すのが難しい、みたいな場所。

イギリスで地ビールってのは聞いたことがない。たぶん日本やアメリカみたいに全国区のビールが寡占状態、という状況がもともとないから、地ビールの存在理由がないんじゃないのかな。そういう意味では、日本酒のあり方に近い、つまり全国的銘柄もないわけではないが、古くから各地に古い諸銘柄が分散していて、美味しいものは全国的に飲まれるチャンスもある、という感じでは? 今日はまたNewcastle Brown Aleを買ってきましたが、これとか「東北の雄」みたいなビールだよね(笑)

投稿: manavic | 2006.03.02 09:07

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