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2006.02.23

四日目

P1010067ロンドンに来て五日目。まだ「晴れ」の日は一度もなし。むしろ毎日、外にいる間に一滴ぐらいは雨に降られている様な気がする。これがイギリスなのだと人はいう。人がいう、というのは、僕はこれまでイギリスに来てもあまり天気が悪かった試しがないのである。もっとも真冬の2月に来たのは初めてなのだが。昨日、四日目は早い時間から外に用事で。用事の先は週末買い物に出かけていた方角とは正反対。どちらにしても歩いて10分足らずのところである。ロンドンにいながらこんなに地下鉄に乗らないのも珍しい、というか僕が出不精なのかな?

P1010069上の写真で後ろの方に見えている工事中の建物はSt. Pancras(セント・パンクラス)という鉄道の駅。このヴィクトリア朝時代(19世紀)に建てられた駅舎にはちょっとした思い出がある。僕は小学校の2年生の時に半年ぐらい、イギリス中部のノッティンガム(Nottingham)という街に半年ぐらい家族と暮らしたのだが、成田からアンカレッジ経由の便で(当時はまだ冷戦時代の名残で当時のソ連上空を日本の飛行機が飛ぶことはできなかった)ヒースローに着いた僕の家族が電車に乗り換えたのがこの駅。僕の父は僕たちがイギリスに赴く半年前からこちらで仕事をしており、僕たちを迎えに来てくれたのだが、年老いた祖母を筆頭に家族が疲労しきっているのをみて、ヴェトナムのボート・ピープルのようだと思ったという。4月も終わりのことだからいささか誇張がすぎると思うのだが、みんな寒さに震えていたのだという。今や当時の祖母ぐらい歳をとった父は、未だに昨日のことのようにセント・パンクラスのコーヒー・スタンドで紅茶を飲ませたらみんな少し元気を取りもどしたという話を懐かしそうにするが、1979年に誰も英語をしゃべれない家族を海外に呼び寄せた父の気持ちもわからないではない。当時の日航(JAL、なんて略称はなかった時代だ)の航空券の表紙は、朱色地に金色で鶴のマーク。もちろん割引運賃だの、格安航空券などない時代だ。父親は公務員で、本人の渡航費は公費から負担してもらえるが、僕たち家族の分は自腹だったという。今のように単身赴任があたりまえの時代ではなかったとはいえ、なぜそこまでして父親が家族を呼んでくれたのかはわからないが、今ではありがたいことだったと感謝している。今でこそ、海外に来て泊まったホテルでインターネットが使えないなどと文句をいっているが、そんな便利ではなかった時代の「外国」を知っているのは僕にとっては大きなことだ。

じつはこの話にはとてもくだらないオチがある。セント・パンクラスから電車に揺られ数時間(当時はIntercityなどなかったのだ)、ノッティンガムの駅に着き、父が車を駐めているはずの駐車場に行くとなんと車(オースティンのアレグロという車、今となっては珍しい、というかありえない、ツートンカラーの車だった)がパンクしていたのである。父は僕たちのイギリス滞在中ずっと、セント・パンクラスから電車に乗ってノッティンガムに来たら車がパンクしてたんだよねー、と駄洒落のように──まったく駄洒落にもならない駄洒落なのだが──繰りかえしていた。

P1010079P1010075さて、四日目の話。いつもと違う方向に出かけたついでに、いろいろと店を物色。帰りはMarchmont St.というちょっと裏通りっぽいところを通って帰ってきたのだが、熱帯魚屋があったり、ちょっとオシャレっぽい床屋があると思って中をのぞくとおニイさんたちがえらい奇抜なカットをされていたりとなかなか面白い。よさげなパブもある。一杯引っかけるにはまだ早い(最低限の自制心)ので、食料品屋に少しだけ寄る。顔立ちと聞き慣れぬ言葉からすると中東系の人たちが店員をやっているらしい。そんなことを考えながらうろうろしていると、「Kebab Sandwich」を発見。中東系でケバブ!、ということで、サラミ、ビール、ワイン、ミネラルウォーターなどと一緒に購入。ところがこのケバブ・サンド、たしかに「Spinach Kebab Sandwich」(spinach=ほうれん草)と書いてあるのだが、ケバブとほうれん草のサンドイッチと思ったらぜんぜん違う。「ほうれん草のケバブ」のサンドイッチ、なのである。そんなわけでこの日の主食はヴェジタリアン。

P1010088ただしこのサラミは最高。量も少ない(72g)がこの値段(£0.88)でこれはすごい! ぜったい毎日帰りに買いに寄ってしまいそうな(笑) ワインはBaron Philippe de Rothchild: Cabernet Sauvignon Vin de Pays d'Oc 2004。£5.49は今回の良好では最安値(笑) 1000円ちょいでこれなら合格かと。ただしあまりカベルネらしくはないです。

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コメント

サラミ、美味しそうですね!
涎出そうになりながら(笑)見てます・・・

そうそう、私の英会話の先生はロンドンっ子なんです。manavicさんがイギリスに行ってる話をしたら、「ロンドンのイギリス人は本当に冷たい!」と言っておられました。(自分もロンドン育ちじゃ!?って思ったんですけど)

ホントにそうなんですかね?
大きい都市はどこも他人に無関心なのでは、と思うのですが。

それから、パブはいいぞと盛んに勧めておられました(^^)

投稿: あずぶう | 2006.02.23 12:34

あずぶう さま
>> ホントにそうなんですかね?
>> 大きい都市はどこも他人に無関心なのでは
という二文のつながりがイマイチよくわからないのですが、大都市のご多分にもれず全体的に冷たい、というかドライですよ。もっとも人によるけどね。

というか、英会話、習ってたの??

投稿: manavic | 2006.02.24 20:13

あの二文、確かに変でしたね・・・
すいませぬ(泣)
一つは当のロンドンっ子の先生がかなり物事に否定的なので、ほんとかな~という感じだったのと、
まあどこの都市もそんな風に言われるのが常なんじゃないかな、という感想がごちゃまぜになってしまいました。 ニホンゴむつかしいデスね、ホント。訳わからない文でごめんなさいですm(_ _)m

英会話はE●Cとかではなく、研究室で英語プレゼン技術の向上を目的にやっているものです。企業向けに講師を派遣するような会社から先生を呼んでプレゼンの練習してるんですよ~
でも先生生物の知識ゼロなんです(笑)
そういえば体調は大丈夫ですか?お大事にしてください。

投稿: あずぶぅ | 2006.02.25 14:00

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受信: 2006.03.12 08:54

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