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2005.12.02

祇園「安参」へ

家人がへ行こうという。まだ行ったことのない店だ。けっこういい値段らしいよと往なすがどうしても行きたいという。ぜったい給料日直後で気が大きくなっているに違いない。行ってみてだいたいいくらぐらいかそれとなく聞いてみたらいいなどというが、僕たちはそんなことをしたことがない。勇気を出していった店であまりの美味しさに気分がよくなって、ようしじゃあ!、と身の丈にそぐわないワインを頼んでしまったりということの方がどちらかといえば多いのだ。それ以上いくらいっても無駄なことがわかり、素直に店に電話を入れた。

CIMG2407店にはいるとまず肉の刺身が順番に出てくる。レバー、タン、ハツ、ミノの湯引き、そして赤身。どれもとても旨いし、葱をのせてたれと辛子で食べるという食べ方もいい。それでもあえていうなら卵黄をかけて頂く赤身は絶品。一通り刺身を楽しんだら、煮物、焼き物に進むのだが、この日頂いたのは焼き物だけ。せっかくだから内臓が食べたいということで、タンとミノをもう一度頂く。タンなど、タンではなく精肉ではないかと思うようなしっかりとした味わい。そして大将がぜひにと勧めてくださったアキレス腱のスープ。隣のお客さんもフカヒレに喩えていらっしゃったが、それはもうコラーゲンたっぷり、味わいも深く濃厚な煮込み。本当はこのあともう一つ、二つ何か頂こうかと話をしていたのだが、迷わずこれでしめることに。もう大満足。飲み物は最初ビールで、途中から最近ちょこちょこ飲んでいたLes Fiefs de Lagrange: Saint-Julien 1996。

このお店で面白いのは、肉の各部位を、タンならツンゲ、ハツならヘルツ、ミノならマーゲンといった具合にドイツ語で呼ぶところ。これも先代の時代からのことらしい。もう一つだけいうと、ネットを見ているとなぜかここが焼肉店と一緒に紹介されていたりするけど、ステーキの鉄板焼やオイル焼の店が肉を焼くからといって焼肉屋ではまったくないのと同じで、安参も焼肉屋ではない。厨房の中では男達は高下駄を履き肉を切るのにも柳刃が使われる。日本料理の伝統的な方法論と日本料理にとっては新しい肉という素材とが出会うことによって生まれた新しい伝統こそが安参である。

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京都祇園のお肉の割烹 祇園 肉割烹 『 安参 』 祇園町にある創業から61年の肉割烹。 元々は四条河原町の路地裏にあったお店、現在の二代目に継承されたときに祇園へ移転されたのだとか。 ちょうど近くまで行ったので入ってみた。 ...... [続きを読む]

受信: 2009.07.15 02:05

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